PiTaPa
PiTaPa(ピタパ)はスルッとKANSAI協議会が発行する事前のチャージ不要で、利用できる交通系ICカードです。Suica(スイカ)やICOCA(イコカ)などの全国相互利用できる交通系ICカードとは異なり、後から利用金額を支払うポストペイ(後払い)型です。一般的なクレジットカードと同様の審査が行なわれます。
PiTaPaカードの種類
「PiTaPaベーシックカード」と「保証金預託制PiTaPaベーシックカード」、クレジットカード会社と提携している「PiTaPa提携カード」の3種類があります。
PiTaPaベーシックカード
PiTaPaベーシックカードは、電車やバスなどの交通機関の利用とショッピングができるカードです。
満18歳以上(高校生を除く)が利用できる本会員カードと、家族カードがあります。
家族カードは本会員の家族が持てるカードで、小学生はキッズカード、中学生や高校生はジュニアカードが利用できます。
キッズカードやジュニアカードは交通利用だけ可能で、ショッピング利用ができないので、電子マネーの使い過ぎを防げます。
PiTaPaベーシックカードの入会金・年会費は無料。
年に一度のピタパの利用がない場合は、1カード(一会員)当たりPiTaPa維持管理料が1,050円必要です。一回でもPiTaPaを利用すれば無料になります。
保証金預託制PiTaPaベーシックカード
保証金預託制PiTaPaベーシックカードは、入会申込書に勤務先や通学先などの情報の記入が不要で、カード審査を受けずに入手できる唯一のPiTaPaカードです。
電車やバスなど交通機関の利用だけに限られていて、ピタパを使ったショッピングや、IC定期券、タクシーの利用はできません。最初に一ヶ月に利用する金額(1万円、2万円、3万円、4万円、5万円)の4倍の保証金(デポジット代)を預ける必要があるなど、利用するにはややハードルが高いです。
保証金預託制PiTaPaベーシックカードの入会金・年会費は無料。
退会する時は、保証金払戻手数料(1,050円)を引いた保証金が返金されます。
年に一度のピタパの利用がない場合は、PiTaPa維持管理料(1,050円)必要です。
入手方法
PiTaPaカードのはICOCAとは異なり、事前審査が必要なので駅の券売機などで購入できません。入手方法は以下の3つあります。
- PiTaPaコールセンター(0570-014-111)に電話して申込書を取り寄せる。
- PiTaPaエリアの駅等で申込書を入手して、必要事項を記入後に郵送する。
- 公式サイト「ピタパドットコム」から入会を申し込む。
郵送はカード受け取りまでに3~4週間かかりますが、オンライン入会は最短2週間でカードが届きます。入会したいと思ったらすぐに手続きできるのもメリットです。
PiTaPaのオートチャージとは?
PiTaPaには、PiTaPaエリアの改札機をタッチすると、自動的にチャージされる「オートチャージ(自動入金)」機能があります。
ICOCAエリアなど相互利用エリアで利用する時は、PiTaPaの後払い方式が使えないので、利用する前にチャージが必要です(PiTaPaカードが届いた時は、カードの残金は0円)。
チャージはPiTaPa・相互利用エリアの券売機などで現金チャージできますが、オートチャージを使う方法もあります。
PiTaPaカードの残金が1,000円以下になると、自動的に2,000円チャージされる仕組みです。キッズカードの場合は、500円以下で1,000円チャージされます。JR西日本や大阪市交通局のバス、PiTaPa定期券の区間内ではオートチャージできません。
チャージした残額は、相互利用エリアでは使えますが、PiTaPaエリアの運賃や買い物の支払いには使えません。
Suica(スイカ)やSAPICA(サピカ)、nimoca(ニモカ)など交通系ICカードの中には、オートチャージ機能が付いたものもあります。オートチャージでチャージされた電子マネーは、自エリアや相互利用対象エリアの運賃や買い物で利用できます。
しかしながら、PiTaPaはチャージ残額は相互利用対象エリアの運賃の支払いだけで使えます。
同じ「オートチャージ」でも、Suicaなどとは使い方が全く異なるので、PiTaPaにチャージする時は気を付けて下さい。
PiTaPaの利用エリア
関西地区、岡山地区、静岡地区にある各鉄道、バスで利用できます。交通機関によっては、一部の路線や駅、ケーブル線によっては利用できないこともあります。
関西地区
鉄道→
阪急電鉄、神戸電鉄、近畿日本鉄道、阪神電車
山陽電車、京阪電車、能勢電鉄、神戸市交通局
南海電鉄、北大阪急行電鉄、神戸新交通、泉北高速鉄道
神戸高速、水間鉄道、北神急行電鉄、京都市交通局
嵐電(京福電車)大阪モノレール、大阪市交通局
バス→
阪急バス、阪急田園バス、神戸交通局、伊丹市交通局
神戸交通振興、京阪バス、阪神バス、神鉄バス
京阪京都交通、大阪空港交通、奈良交通、エヌシーバス
神姫バス、神姫ゾーンバス、神姫グリーンバス、ウエスト神姫
水間鉄道バス、山陽バス、高槻市交通部、江若交通
大阪市交通局
岡山地区
鉄道→岡山電気軌道
バス→岡山電気軌道、中鉄バス、両備バス、下津井電鉄
静岡地区
鉄道→静岡鉄道
バス→しずてつジャストライン
PiTaPa利用で運賃が割引
PiTaPaでは利用回数や利用額に応じて割引する、割引サービスが充実しています。「利用回数割引」と「利用額割引」は、登録不要で利用できます。
利用回数割引
一ヶ月間(1日からその月の最終日まで)の同一運賃区間の乗車回数によって割引します。乗車、降車駅が毎回違っていても、同じ運賃ならば割引対象になります。10回までは普通運賃で、11回目から割引運賃になります。「定期券を利用する程ではないが、月10回以上電車に乗ることがある」という人向けの割引サービスです。
●適応交通機関
阪急電鉄、阪神電車、能勢電鉄、京阪電車(京阪線)、大阪モノレール、山陽電車、神戸電鉄、南海電鉄、神戸高速
利用額割引
一ヶ月間(1日からその月の最終日まで)の利用合計金額に応じて割引します。利用額は各交通機関で別々に計算されますが、一部の交通機関では合算できる場合もあります。
例えば大阪市交通局(市営地下鉄、ニュートラム、バス)を利用すると、一ヶ月の利用額が10,000円までなら、一般と65歳以上のシニアは10%、学生は20%の割引を受けられます。10,000円以上の利用なら、更に割引率がUPします。
大阪市交通局では「PiTaPa利用額割引シミュレーション」で「一ヶ月の利用額」「定期券」「一ヶ月の利用回数」で、支払額のシミュレーションや比較が行なえます。
関連リンク:大阪市交通局「PiTaPa利用額割引シミュレーション」
●適応交通機関
大阪市交通局、近畿日本鉄道、京都市交通局、神戸市交通局
神戸新交通、北神急行電鉄、水間鉄道、嵐電(京福電車)
阪急バス、阪急田園バス、神鉄バス、京阪バス
京阪京都交通、江若交通、神戸交通振興、高槻市営バス
伊丹市営バス、阪神バス、山陽バス、岡山電気軌道・岡電バス
中鉄バス、両備バス、下津井電鉄、静岡鉄道、しずてつジャストライン
登録型割引
「利用回数割引」と「利用額割引」とは異なり、事前登録が必要です。一ヶ月の利用割引運賃と、区間指定割引運賃の利用金額とを比べて、安い方の運賃を適応する。利用回数に関わらず、毎月定額の料金で利用できるなど、各交通機関独自の割引サービスを設けています。PiTaPaは後払い方式の交通系ICカードなので、可能な割引サービスです。
●適応交通機関
阪急電鉄、京阪電車(京阪線)、近畿日本鉄道、大阪モノレール
能勢電鉄、水間鉄道、大阪市交通局、京阪バス
高槻市営バス、山陽バス、嵐電(京福電車)、伊丹市営バス
PiTaPaで定期券も利用できる
PiTaPaにもIC定期券があります。紛失や盗難にあった時も、再発行が可能です。
定期券は一部の交通機関が対象になります。
●適応交通機関
阪急電鉄、阪神電車、能勢電鉄、北大阪急行電鉄
神戸市交通局、山陽電車、神戸電鉄、南海電鉄
泉北高速鉄道、神戸新交通、神戸高速、北神急行電鉄